球蹴り〜玉置晴一〜
2008 / file01
技術
玉置晴一
Tamaoki,Seiichi
愛媛・今治工高を卒業後、川崎フロンターレに加入。 精度の高いパスを繰り出すレフティーも、故障に泣き、わずか3年で惜しまれつつ現役引退。 2005年にスクール担当コーチとして待望のフロンターレ復帰。 現在、U-12コーチとして、持ち前の明るさを武器に子供たちを引っ張り、未来のフロンターレ戦士の育成に邁進する。 1982年4月26日生まれ、愛媛県今治市出身。
今年度もこのコラムに参加することになりました。昨年の1年間コラムを書いてきて、言葉の表現の難しさや自分の文章力の無さに悲しくなりましたが…読んで少しでも何かを感じてもらえると幸いです。今年もよろしくお願いします!
今回は、「技術」について書きたいと思います。
プロのサッカー選手になるためには、大切な要素がたくさんありますが、当然「技術」はその要素の1つと言えます。ご存知の通り、ロナウジーニョやC.ロナウド、ジダンといった世界のトッププレイヤーも随所に「技術」の高さを魅せてくれます。
技術といってもその捉え方は様々です。例えば、試合の中で観られる、止める(コントロール)・運ぶ(ドリブル)・蹴る(キック)これらを自分の思ったところに正確に行える。これも技術だと思いますし、最近では海外で職業(フリースタイルフットボール)にもなってきていますが、リフティングで身体全体を使って色々な技ができることも技術です。他にも違った捉え方もあるとは思いますが、サッカーではこのような技術がとても大切になってきます。
すでに、様々な雑誌などでも述べられているとおり、小学生年代では特に技術の獲得が重要だと言われていますし、僕自身もとても大切なことだと思っています。では、もっと具体的には何か? 僕は、下の年代であればあるほど「ボールを自由に扱える」ことがとても重要だと考えます。なぜかは、このボールを自由に扱うことの延長線上にサッカーで必要な、止める・運ぶ・蹴るなどの技術があると思うからです。
では、どうすればこのような技術が向上するのか?僕は、小さい頃からとにかく足でボールをたくさん触ることだと思います。イメージで言うと、「手と同じくらい足でボールを扱う」伝わりにくいかもしれませんが…人間は、“手”では多くの作業を行いますが、“足”ではあまり行いません。ボールフィーリングという言葉がありますが、ボールをたくさん触ることで、丸いボールの感覚を覚えます。とにかく小さい頃からボールにたくさん触れることが、とても大切だと思います。僕自身もトレーニングを考える際に、選手一人一人が多くボールを触れるようなメニューを心がけています。
技術の大切さは、僕自身プロになって痛感したことですし、引退した選手や現役の選手からも「もう少し技術があったらな…」ということを聞いたこともありますし、「小さい頃にもっとやっておけば良かった」という声も聞きます。また、世界のトッププレイヤーが魅せる様々なアイデアや観客を虜にするプレーなども、この技術があってこそのプレーだと思います。
様々な環境があり、とても難しいことかもしれませんが、是非!家やトレーニングの際にも、子供たちがボールを多く触れる環境を作っていってください。すぐにその成果は見えにくいとは思いますが、そういったことが後に良い選手を育てることにつながっていくと思います。
2008年03月26日 玉置晴一