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OB'sコラム

球蹴り〜玉置晴一〜

2008 / file03

結果

玉置晴一
Tamaoki,Seiichi

愛媛・今治工高を卒業後、川崎フロンターレに加入。 精度の高いパスを繰り出すレフティーも、故障に泣き、わずか3年で惜しまれつつ現役引退。 2005年にスクール担当コーチとして待望のフロンターレ復帰。 現在、U-12コーチとして、持ち前の明るさを武器に子供たちを引っ張り、未来のフロンターレ戦士の育成に邁進する。 1982年4月26日生まれ、愛媛県今治市出身。

『結果』これは、どんなことでもそうですが、スポーツをする者にとって切り離すことの出来ないものだと思います。

サッカーの試合でも“勝敗(引き分けもありますが)”は付き物で、勝つチームもあれば、負けるチームもあります。当たり前ですが、これが結果として出てしまいます。
しかし、僕は勝敗だけがすべての結果だとは思いません。もっと言えば現在、小学生年代に関わっている僕は「勝敗の中にある細かい部分の結果」に目を向けて行きたいと思っています。
細かい部分とは何か? 例えばゴールを決められた、ボールの持ち方やボールの置き所を状況によって変えられた、3人・4人抜けた、観えるものが増えた、逆の足でボールをコントロールできたなど何でもいいのですが、今まで出来なかった事が出来るようになったり、練習したことが試合で出せた、これも結果なのではないかと僕は考えます。

先日、“かわしん杯”といって小学4年生以下の大会なのですが、川崎市67チームが参加する大きなこの大会で、優勝という結果と共に僕はある結果を得ることが出来ました。
それはこの大会を通して子供たちが、今まで練習で取り組んできた“技術”を思う存分プレーで魅せてくれたということです。もちろん失敗もたくさんありましたが、それでも子供たちはチャレンジし続けました。また、今年の準決勝・決勝はあのトップチームがプレーする聖地!等々力陸上競技場での試合でしたが、観客が見守り、緊張せざるをえない状況の中、自分たちのプレーに自信を持ち、観ている人たちから「おー!」という歓声が多く聞こえてきました。小学3年生・4年生の子供たちが観客を驚かせたことは、本当に素晴らしいことだと思います。もちろん、これには子供たちが日頃の練習から意識高く取り組んできた成果ですし、本当に大きく成長したと思います。

この大会を通して巧くなっていった子供たちの姿を見て、僕の中では1つの結果を出せたと自信を持って言えます。
もちろん、勝敗も大事です。当然子供たちは勝ちたいと思ってプレーしていますし、勝つことで子供たちが得ることは本当にたくさんあります。また、僕自身も監督という立場で勝ちたくない訳がありません。しかし、原点というか、指導者としての本質は選手を育てることだと思います。特に小学生年代に携わっている僕たち指導者の最終的な『結果』は今すぐに出るものではないような気がします。

これからも勝敗という結果ももちろんですが、試合や練習の中にある小さな結果にもこだわって行きたいと思います。

2008年08月01日 玉置晴一

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