いつもあたたかい声援をありがとうございます。我々はどんなときもサポーターが後押しをしてくれる環境に感謝し、自分たちの技術をピッチでおもいきって披露できる喜びを感じながら、今シーズンもサッカーというスポーツを追求していきたいと思います。

昨シーズン途中からチームの指揮を執り、サッカーの技術にこだわったトレーニングを続けていく中で、自分たちがボールを支配する、得点を奪うといった明確な意識を持ち、フロンターレにしかない形を体現できるようになってきたと思います。対戦相手にどのような守られ方をされても崩していくイメージが選手たちの頭の中にあり、それが私が考えている以上に見えているのではないでしょうか。

自分たちの技術をさらに進化させるという部分においては、順調に着手することができました。さらにマインドの部分でも、負けることを少し怖がっているチームから、勝つことを信じ切れるチームに変化していったと思います。ただし、監督就任当初から感じていた「心技体」の「体」の部分の不足は、最終的に補うことはできませんでした。

そこで今シーズンは「心技体」の3つが正三角形となり、すべて揃った状況で、選手一人ひとりが進化していく状況、そういった土壌を作りたいと思っています。

ただし、何かに絞ったトレーニングをやるわけではありません。1つひとつを分けてやるのではなく、頭で考えること、足下の技術、体を作ることの3つ、「心技体」すべてが一緒になったトレーニングをスタートさせています。開幕前の練習グラウンドでのトレーニング、そして宮崎でのキャンプでは、選手たちが自然とそういったトレーニングに馴染んでいます。

またプラスアルファの要素として、人の力が必要でしょうし、すべてにおいて緻密さが必要です。人の力というのは、選手全員が揃った状態で1年間通して戦えること。緻密さというのは、トレーニングをする上でのこだわりです。それらを意識して進んでいきたいと思います。

すべてが揃った状態で選手1人ひとりが伸びていけば、サポーターにの皆さんにさらなる驚き、そして勝負に勝つ喜びを一緒に分かち合えるチームになれると思います。そこはぜひ期待していただきたいと思います。

サポーターの皆さんの期待の大きさはすごく実感していますし、私自身も新しいシーズン、フロンターレというクラブの可能性、そして選手たちの成長に大きな期待を寄せています。サポーターとともに、まだフロンターレが獲ったことのないタイトルをしっかり見据えながら、そして自分たちの力をしっかり進化させながら前に進んでいきたいと思います。

2013年も我々に期待をしていただき、選手たちへの後押しをよろしくお願いします。今シーズンも一緒に戦いましょう。

風間八宏