1/16 (火) 2007
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岡山一成です。
text by
広報部
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柏レイソルへの完全移籍が決定したオカこと岡山一成選手から、川崎フロンターレのサポーターの皆さんへメッセージが届きましたので、お知らせします。
「麻生グラウンドを訪れたのは、ちょうどいまから五年前。
小高い丘から見下ろしたグランドは、川崎の街として持っていたイメージからは程遠い田舎の田園風景がひろがっていた。この場所を3年間通っていたのに、レンタル移籍をするようになり、いつしか1年に一回契約の時に訪れる場所に変わっていった。だけど、その都度お帰りなさいと声をかけてもらい、俺自身も帰ってきたなという想いを抱いていた。それは等々力競技場への想いを強くしていった。あの競技場でどんな想いを感じるのか、その一心でやってきたつもりだった。
5年前、大阪の地にわざわざ俺を欲しいといって、訪ねてくれた人が石さんだった。第一印象で抱いたイメージのままフロンターレでのシーズンを戦った。それはフロンターレサポーターもいまなお心に残っているでしょう。あの時、勝ち点1足りなかったことにより、どれほどの人達の人生の転機となったことか。俺自身もその勝ち点1に人生を翻弄された一人だった。チームすべての人達で勝ち取った勝ち点が、1点足りないのを、どれほどの人達が自分の行動を振り返り、後悔をして、自分を責めたことだろう。俺も後悔して、自分を責めた一人だった。そのときに彷徨った昇格への魂は、翌年、たくさんのフロンターレに携わる人達に戻っていったのに、俺の元には還ってこなかった。
病室のベットや、リハビリ中のチームの快進撃。自分の復帰の時期には見えてきた昇格。歓喜の輪のなかで喜ぼうとしている自分。シャンパンかけの昇格の美酒に酔えない自分。膝がどうなってもいいからチームの為、サポーターの為に、石さんの為に。そんな想いで戦っていた2003年の昇格争いは、なんだったんや。だけど、確かにあの時、魂を共有して一つになったのは、まぎれもない真実だった。共に笑い、共に泣いて、共に刻んだ時間はまぎれもない誇りだった。だけど、俺の心の時計はあの時止まったまま動かなかった。昇格さえすれば動き出すのかと想っていたけど、アビスパで昇格しても壊れた時計のように動かなかった。それが去年、動き出した。それは俺自身だけではない力で動き出した。
『1万人の観衆のなかで試合がしたい。友だちや知り合いを連れてきて。』そう呼びかたら次の試合、2万人が詰め掛けてくれた。試合の後、『1万人来て欲しいって言ったら2万人来てくれた。だったらもっと早く連れて来い(笑)。』その時、たくさんの人達が動いてくれた事も知らず、言ってしまった。サポーターとの関わりを教えてくれたのはフロンターレサポーターだった。想い合うことの素晴らしさも教えてくれた。トラメガやみかん箱の上の小麦粉、初めて自分の応援コールを作ってもらったし、勝った試合の後で一緒に歌ったりもした。サポーターフェスタでのふざけ合い。きりが無いほどの思い出がある。レンタル移籍する際の500通にも及ぶ励ましのメールはほんまに嬉しかったし、帰ってこようと想った。だから、フロンターレでの思い出と重なることは、アビスパではしないでおこう。そう想っていたら、良い関係を築けなかったしフロンターレサポーターの温かさが身にしみた。石さんがもう一度、J2でチャレンジをするのを知り、他のJ2のチームへのレンタルが決まりかけていた段階だったけど、石さんの元でやることに決めた。フロンターレのフロントや相手先のチームにも迷惑をかけたけど、止まったままの時計の針を動かす為に。その時に自分の中での持論のサポーターが持つ勝ち点10の力をプラスにする為に、フロンターレのサポーターとの思い出と重なってもレイソルのサポーターとの関係を築いていこうと決めた。それが去年一年の俺のやってきたことです。湘南に勝ち、神戸が負けて昇格が決まり、石さんと抱き合った瞬間。2003年、広島に勝ったけど、新潟が勝ったため、昇格出来ずに彷徨っていた昇格の魂は俺の元に還ってきた。
歓喜に心から涙が溢れてきて、その涙と鼓動が止まっていた時計の針を動かした。
あの時、勝ち点1足りなくて、自分自身を悔やみ責め続けたフロンターレのすべての人達が、俺に、石さんに、巌に祝福してくれた。2003年の自分が俺によくやったと、笑いながら褒めてくれた。
2007年から柏レイソルに完全移籍をしてプレーします。
フロンターレではなくレイソルを選んだのは紛れもなく俺自身での決断です。色んな想いや状況があっても、あんなに想ってくれて、心配してくれて、愛してくれたのに、俺はレイソルを選びました。ほんまにすいません。ほんまにすいません。ほんまにごめんなさい。
俺たちの想いは。誰よりも熱く。
青黒に光る星と共に行こう。
もう一度、等々力でラブ川崎を歌う。それを励みにやってきた。それなのにレッツゴー柏を発案した俺です。そして、等々力で勝った時、笑顔でレッツゴー柏を踊るでしょう。
そんな俺やけど、信じてください。ほんまに大好きでした。ほんまにあなたたちと過ごした期間は一生忘れません。レイソルのサポーターを大好きになった俺が言っても説得力ないけど、フロンターレサポーターと言ってひとくくりにして、あなたたちの名前もわからないけど、あなたたちと共に流した涙は一生忘れません。あなたたちと共に笑いあった笑顔を一生忘れません。あなたたちと共に刻んだ思い出は一生忘れません。
いまの俺があるのもあなたたちのお陰です。ほんまにありがとうございました。」
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