9月10日~11日の2日間、陸前高田の皆さんを川崎に招いての「かわさき修学旅行」が、ホームゲームのアビスパ福岡戦に合わせて開催されました。
この活動は今年で数えること6回目。交流のある陸前高田の人たちに選手がプレーしている姿を実際に見てもらうことと、私たちのホームタウン・川崎がどんな場所か、より知ってもらうため東日本大震災が起こった2011年から年に一度開催しています。
このイベントのきっかけになったのは、震災1ヶ月後の2011年4月。教材が津波で流され不足していると聞き、クラブスタッフとサポーター有志で『フロンターレ算数ドリル』を陸前高田に持って行ったときのことでした。『フロンターレ算数ドリル』を子どもたちに手渡した時、川崎フロンターレがJリーグのクラブであるということは、ある程度分かるのですが、誰一人『川崎』という街がどこにあるのか分からなかったのです。「東京?」「横浜?」と地理的に惜しい場所をいう子もいたのですが、一人の男の子には得意満面な顔で「長崎でしょ!」と言われました…。ガーン! 九州から来たと思われているのか…。うーーん、でもこれが現実です。川崎という場所は陸前高田の子どもたちには知られてないわけです。
教材不足の中、フロンターレのドリルを使うことになっても、どこの街のチームか分からないドリルを使ってもらうのはよろしくない。この時「フロンターレの選手がここに来て交流するだけでなく、ここの子どもたちを川崎に招いて川崎も知ってもらわねば!」と心に誓ったのでした。
今年、修学旅行に参加したのは総勢41名。10日の朝早く、陸前高田から一ノ関、一ノ関から東京駅の長距離移動もなんのその、ホームに降りたつや否や「着いたーっ!」と元気いっぱいに駆け回っています。東京駅からはバスに乗り込みスタッフとサポーター有志がバスガイドとなって、本日、ホーム福岡戦がある等々力競技場へ案内しました。
競技場到着後、まず行ったのがピッチ上でのボール遊び。この日は天気も良く、最高の状態のピッチの上で、スクールコーチの指導の下、ボールを使っての鬼ごっこやミニゲームを開催。参加は自由だったのですが、スクールコーチ達は大人も参加する用のメニューを作ってきたので、子どもたちだけでなく大人も参加されました。普段運動していなかった大人達にはミニゲームや鬼ごっこは辛そうでしたが、楽しそうに皆さん子ども達と遊んでいました。
その後、フロンパークで開催されていた「川崎ものづくりフェア」を楽しんだり、フロンターレグッズを購入したり、各自で自由時間を満喫。2011年から連続で参加している「陸前高田フロンターレ サポーターず」会長・高田小学校の濱口先生は、今回も塩ちゃんこ、ブラジルソーセージ、牛スジなどフロンパークの名物料理をペロリと食べ尽くしていましたよ。
さて、この日の試合結果ですが、前半29分にCKから谷口選手が先制のゴール!後半立ち上がりに中村選手が追加点を決めて、試合の主導権を握るとさらに大久保選手がシュートを決めて3点目。陸前高田の皆さんはゴールが入るたび大盛り上がりでした。
終盤福岡に1点返されましたが、見事3-1で勝利!等々力が勝利の歓声で包まれる体験と選手と一緒にサポーターの皆さんへご挨拶ができて良かったです。
試合後は、川崎市役所近くにある「川崎ホテルパーク」に宿泊。子ども達が寝静まった後、大人限定で懇親会を実施しました。翌日の出発が朝早い方もいるため参加人数は少なめでしたが、今回参加した陸前高田の方々と親睦を深める、有意義な時間となりました。関係を深めれば深めるほど、継続していくことの大事さを感じます。
翌日、11日は、2班に分かれての行動となりました。まず1班は、今回修学旅行に参加している陸前高田のサッカークラブ「高田FC U-12」の子ども達。
こちらのメンバーは等々力第一サッカー場で川崎フロンターレU-11と親善試合を行うため、朝7時にホテルを出発しました。高田FCの子ども達は小雨降る中、川崎フロンターレU-11と白熱の試合を展開。結果は1-11と大敗でしたが、お互い良い交流となったのではないでしょうか。試合終了後には陸前高田市の隣町にある、大船渡高校出身・川崎フロンターレU-18の今野章監督が激励に訪れ、子ども達にエールを送っていました。
残りのもう1班は、ラゾーナ川崎の隣にある東芝未来科学館の見学のため朝9時にホテルを出発。参加者は様々な科学を学べるアトラクションにみんな釘づけ!中でも「ナノライダー」と言うバイクのような乗り物に乗り「1/100万ミリの世界を走る」アトラクションが大人気でした。
1時間の見学が終了に近づくと「もうおしまい?」「もうちょっとだけ!」と言ってくる子ども達が続出!もう少し時間を取りたい所でしたが残念ながら次の予定が詰まっているため今回はこれまで。次回修学旅行行程作りの参考にしますね。
東芝未来科学館の後には、試合組と合流してラゾーナ川崎に移動。大人の方々はショッピングに行かれましたが、ほとんどの子ども達はゲームセンターへ。namcoラゾーナ川崎店様からご提供いただいた、遊戯券を片手に沢山のクレーゲームがあるコーナーへ一目散に向かって行きました。みんな小さい景品は狙いません。大きなぬいぐるみ、御菓子などを採るために一生懸命でした。集合するころには皆さん、お土産やクレーンゲームの景品で袋がいっぱいになっていましたよ。
ラゾーナ川崎を14時まで満喫した後、皆さんを乗せたバスは陸前高田の帰路につくため東京駅に移動。本当はもっと川崎を楽しんで行ってもらいたい所ですが、この時間に出発しても陸前高田に到着するのは20時頃になってしまいます。翌日月曜日の出勤、登校を考えるとしょうがないですね。
東京駅に向かう車内では、中村選手、大久保選手のサイン入ユニフォームが当たるじゃんけん大会を開催しました。中村選手のユニフォームは子どもがゲットしましたが、大久保選手のユニフォームは、高田FC監督(大人)vs高田FC選手(子ども)の決勝に。なんと勝ったのは高田FC監督!周りの皆さんから「大人げない」「譲ってあげなよ」とブーイングの嵐でしたが「勝負の世界に大人も子どもも関係ない!」ということでユニフォームをお渡ししました。しかし何とサイズが小さい!なので仕切り直しでもう一回行うことに。今回は子どもが勝ったのですが、高田FC監督に負けた男の子が悔しくて泣いていたため、勝った子がその男の子にユニフォームをプレゼント。子ども達の友情に大人たちは感激し、じゃんけん大会は終了しました。
じゃんけん大会が終了して、しばらくしてから無事、東京駅に到着。少し名残惜しいのですが、クラブスタッフ、サポーター有志でお見送りをして、第6回のかわさき修学旅行は終了しました。
今回の修学旅行実施にあたり、多くの組織、団体の皆さまにご協力いただきました。宿泊先の川崎ホテルパーク様には施設利用の割引、東芝未来科学館の皆様には見学へのご協力、namcoラゾーナ川崎店様からは、ゲームセンターで使える遊戯券の提供、そしてサポーター有志の皆さんには活動全般のサポートをしていただきました。心より感謝いたします。ありがとうございました。また今年の修学旅行からJリーグチームアズワンより助成金をいただいております。
陸前高田の皆さんとの交流をクラブだけではなく、川崎の皆さんの協力を得て開催できること。この街を大変誇らしく感じています。今後もMind-1ニッポンプロジェクトが掲げる「支援はブームじゃない」を一緒に実践できたら幸せです。継続的なご協力をよろしくおねがいいたします!
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