大東和美(Jリーグチェアマン)×中村憲剛(川崎フロンターレ キャプテン)
テキスト:川崎フロンターレ・Jリーグ 対談進行:麻生広郷(オフィシャル)
写真:大堀 優(オフィシャル)・川崎フロンターレ
text by Kawasaki Frontale & J.LEAGUE /
Facilitate by Aso,Hirosato /
photo by Ohori,Suguru (Official)
& Kawasaki Frontale
今回は2013年11月10日の清水エスパルス戦のマッチデープログラムに掲載された
中村憲剛選手と大東チェアマンとの対談の完全版をお送ります。2015年より導入が検討されているポストシーズン制について、
Jリーグの協力のもと、中村憲剛選手が大東チェアマンに率直な意見をぶつけます。
中村「まず最初に、この対談は本当に大丈夫なんでしょうか? 1クラブの発行物で2ステージ制やポストシーズン方式についてチェアマンと直接対話ができるって、普通に考えたらありえないことですよね?」
大東「まぁ個別に選手と言葉をかわすことはありますけど、こういう形で話すのは初めてかもしれないですね」
中村「今回の話は事例が事例ですから、皆さん注目してくれるでしょうし、フロンターレ以外のJリーグのクラブのサポーターも気にしてくれると思います。僕自身、もやもやした気持ちですし、どうしてそうなったのかを大東チェアマンの口から聞きたいというのが正直な気持ちです」
大東「まずJリーグ実行委員会のメンバーでもある川崎フロンターレの武田社長が、選手やサポーターとしっかり向き合って説明していただき、我々としても感謝しています。そして選手の立場から聞いておきたいことがあればどんどん質問してもらいたいですし、逆にポストシーズンだけじゃなくて日程の問題やメディア対応などについても、選手がどう思っているのか聞きたいですね」
中村「選手である僕は武田社長から直接説明を聞きましたが、今回の話は外に出るものなのでみんなが見て『ああ、そうだったのか』ってなると思います。まだ本当の意味での経緯を知らない方も多いでしょうし、うやむやに決まったみたいな印象を持っている方も多いと思うので」
大東「そこは今までの経緯を含めてきっちりとお話したいと思います。まず観客数についてですが、入場者数からお話しますと、08年をピークにしてここ数年右肩下がりになっています。これはいろいろな理由があると思いますが、世間では08年にリーマン・ショックという大きな事件があって世界、そして日本の経済が大きな影響を受けました。それが直接的な原因でないでしょうが、そういう時代の中で入場者数が下がってきている。微減傾向がみられるということです。
それから我々Jリーグの大きな収入である、協賛金とテレビの放映権料についてお話します。協賛金についてもここ数年下がってきていて、来年を見た場合、全体で最悪10億円規模の落ちこみが懸念されます。これは放映権料についても同じで、地上波の試合中継が06、07年あたりでは15本ぐらいだったのが現在は7本と半分以下です。また我々が一番心配しているのは、世の中の感心事という部分です。これはJリーグだけじゃなくて他のプロスポーツも含めてですが、06年頃のJリーグの調査では45%ぐらいの方がJリーグに関心を持ってくれていたのが、今年では30%ぐらいに落ちています。こういった状況をふまえてこの先どうしていくんだということで、昨年の10月から戦略会議を開き、Jリーグの将来、各クラブの将来について議論を重ねてきたわけです。というのは選手の皆さんもそうだし、ファン、サポーターも同じでしょうが、現行の1シーズン制が一番わかりやすいということなんです」
中村「そうですね。みんなそう思ってるんじゃないでしょうか」
大東「皆さんご存知の通り、ヨーロッパの主要国のリーグも1シーズン制です。ですが、その周辺国や南米などのリーグはポストシーズン制を採用しているわけですね。そう考えると、世界全体の主要サッカーリーグ50カ国中の40%ぐらいが何らかのポストシーズン制を敷いていて、それぞれが国の事情に合わせて危機感を持ってやっている。そういった中で我々がどうするかということで、たどり着いたのが今回のポストシーズン方式です。メディアへの露出を増やす、そして下がりつつある収入を回復させるということで、今回のポストシーズン、2ステージ制という話になりました。
もちろん収益がすべてというわけではありませんが、我々の協賛金と放映権料の中から約70億円をJリーグの40クラブに分配しているわけです。全体の収益が減り、かつ分配金をキープするとなると、Jリーグが投資すべき育成にかけるお金やメディアへの対応費がだんだん減ってくる。これを何とか食い止めなければいけません。育成がおろそかになってしまうと日本のサッカーの将来はないと思うので、これはしっかりやっていかなければならない。そして地上波の放送を含め、メディアに対してもっと露出を増やしていくことも重要です。落ちてきた国民の関心を回復させる。J1は18クラブでホームゲームは20試合開催という前提があり、その中でいろいろ試行錯誤しながらやってきた結果、この結論に至ったということです」
中村「そうですよね。まぁ、お金の問題ですよねえ。それがすべてじゃないけども、なくなると立ち行かなくなるし、リーグは先細りになる。背に腹は変えられないんだろうなあと、僕もニュースを見ながら思っていました。Jリーグを良くしたいというのはみんな同じじゃないですか。ただ、そこでのコミュニケーションの行き違いというか、上の方でずっと話が進んでそのまま決まっちゃったみたいな印象があって、個人的には残念だし、寂しかったです。その話が僕ら選手に落ちてきたとしても、おそらくいろいろな意見があるので1つひとつ吸い上げる時間はなかったと思うんですが、あまりにも話を聞いてもらえず決まっちゃったなというのがあったので。
その理由は武田社長にも聞きましたが、だいたいの予想はついていました。Jリーグの人気が落ちてきたのは自分たち選手にも責任があるし、Jリーグだけのせいだとは思いません。ただ、僕がフロンターレに入ったのが03年で、スタジアムに3、4千人しかお客さんが入ってないところから、どうやってお客さんを増やしていくかっていうことをみんなで考えてきました。スタジアムが満員になるまで選手もスタッフも本当にいろいろなことをやってきて、自分たちの努力が認められてきたという自負があるんです。その一方でJリーグは、果たしてそこまでやってきたのかなっていうのが正直なところです。できることはすべてやったけど、どうしようもないからこうなったっていう風には僕には見えなかったので。まぁ、今さらなんですけど」
大東「確かに憲剛が言うように、各クラブが知恵を出して汗をかき、本当に目一杯やってきたのかというのはありますね」
中村「すごく努力しているクラブもあって、まだまだやれるところもあると思います。でも、それがいい悪いじゃなくて結局こうなってしまったので、もう一度見直すいい機会なんじゃないかなと思います。Jリーグと各クラブがもっと密になって盛り上げていこうよと。クラブの数も40になって、全国をカバーしつつあるわけじゃないですか。各クラブが自分たちの町を興すつもりでやらなければいけないし、サポーターの人たちも胸を張って『このクラブはうちらの町の代表だ』ぐらいのクラブになって欲しい。そうなっているところもあれば、まだ浸透していないところもあるし、地元では浸透しているのに露出しきれていないクラブもあると思うんです。それが全体的にいいレベルになったときに、真の意味で変われるんじゃないかなって。
今回こうなった事情も分かるし、自分としては今日ここに会いに来るまでもやもやしていました。チェアマンを責めてもしょうがないし、かといって僕の気持ちをどこにぶつければいいんだろうって。正直、選手としてはポストシーズン制になって面白くなればいいですけど、ショックなところもあります。もちろん僕とは違う意見の選手もいると思うんですが、サポーターがあれだけの反応をしてますからね。その意見をまったく無視して決めたとも思っていないし、決まった以上、ここから先は僕ら選手はもちろん協力しなければいけないんですけどね…。ただ本当にもやもやした感じです。クラブ、サポーター、Jリーグ、ここまで一緒にやってきたと思いますが、もっとみんなで盛り上げていかないと」
大東「そう、それはまったく言うとおりで、みんなでひとつになってやっていかなければなりません」
大東「それから日程問題について話したいと思います」
中村「はい、そうですね。先にその話を切り出してくれたのでありがたいです」
大東「とくに夏場については中2日をなくすという方向で、日程についてはしっかり取り組んでいます。ひとつの例でいうと、水曜日に試合があったら次は日曜日にやりましょうということですね」
中村「それはぜひお願いします。『何言ってるんだ』って言われたらこの話は終わってしまいますけど、今年の日本の暑い夏を考えても過酷すぎます。集客を考えると夏休みの時期に試合を詰め込まなければいけないのは理解していますし、今年は6月に日本代表の試合がありました。でも、それにしてもきつすぎるだろうというのが正直な感想です。中2日が2回続くと、うーん。ACLやナビスコカップで勝ち進んでいくチームは多少仕方ないところもありますけど、Jリーグに関してはもう少し何とかなるんじゃないかと」
大東「今年は9月、10月、11月と新しくインターナショナルマッチデーがあったので、そこで試合はできません。僕らが考えているのは、もう少しシーズンを長くしたいということです。例えば2月の中旬ぐらいから12月第2週、第3週ぐらいまでやるという案もあります」
中村「うーん…、それはそれでまた別の話になってきますけど」
大東「でも実際は降雪地区のクラブがあったり、12月はクラブワールドカップがあって第1週で終わらなければいけないという問題もあります。日程については四苦八苦しながら練っているところです」
中村「そうですよね。やっている側も四苦八苦していますから」
大東「これがベストだというのはなかなか出てこないんですが、選手がいいコンディションで試合ができるような形に持っていきたいと思います」
中村「個人的には日程がきつくなると試合を観る方もつまらないんじゃないかと思っています。夏場の連戦になると僕らも動けないですし、相手もへろへろですから。ボールも人も全然動かないし、せっかくスタジアムに来てくれても、いい試合を見せなければもう一度足を運んでもらえないじゃないですか。そこでサッカーの質を問われても、それは無理だという話になってきます。大東さんも鹿島の社長をやっていたので分かると思うんですが、選手がかわいそうだと思いませんか?」
大東「いやー選手は大変ですよ。夏場の連戦は」
中村「今では僕も夏に試合を詰め込むことが理解できるようになりましたけど、プロに入りたての頃は何でこんな日程なんだろうって思いました。だけど、それにしてもっていう思いがあるので武田社長に食いついています」
大東「武田さんは実行委員会でしょっちゅうその話題を出していますよ」
中村「それはたぶん僕が言ってることだと思います。『社長、これ、本当にやばいよ。なんとかしてください』『よしわかった』っていう感じで」
大東「武田さんはいつもおっしゃってますよ。その通りで、できるところはやったらいいと思います」
大東「そしてもうひとつ、今取り組んでいるのはベストメンバー規定についてです」
中村「個人的には本当に必要なのかなって疑問に感じています」
大東「これは廃止はしませんが、見直します」
中村「ぜひお願いします。これって誰のためのベストメンバーなのかわからないですよね」
大東「まぁ過去にいろいろありましたから」
中村「うちも当事者だったことがあるのでわかります。当時のJリーグの方にすごく怒られました。それはそうですよね。Jリーグが決めたことを順守しないんだから。だけど、少なくともあのときはうちのサポーターは理解してくれていました。例えば今年の柏も多少かわいそうなところがあったと思います。Jリーグの事情はわかりますけど、うーん、そこはリーグの成熟度というか。次の試合が大事っていうのはサポーターも理解していますし、一番は当事者たちが納得しているかどうかじゃないかなって。もちろんどの試合も負けちゃいけないですし、全部勝つのがサポーターの望みなのはわかりますが、チームとして日程を見たときリーグ戦、ナビスコカップ、天皇杯と大会があって、大一番があればそこにパワー使いますよね。当然、負けたら試合に出たメンバーが悪いんですが、ルール上でそれは駄目だといったら本来の目的はどこなのかっていうところで、ベストメンバー規定にすごく疑問に感じているんです。それはサポーターも理解してくれているわけで。今試合に出した選手がベストメンバーだっていう監督もいますし、まったく必要ないとは思いませんが、特例があっていいんじゃないかなと」
大東「まぁ、お金払ってきている人もいますからね」
中村「そうですね。それもわかります。例えば開幕戦から第2節でがらっとメンバーを変えたらそれはサポーターも怒ると思いますが、例えば4連戦、5連戦が見えていて、そこで監督が選手のやりくりしなければいけない状況も出てきます。そういう場合はベストメンバーの人数を変えるとか、状況によっては取っ払ってもいいんじゃないかなと」
大東「ベストメンバー規定は残しますが、中身の部分、人数は見直すつもりです。ただ、スポンサーへの説明は事前にしておかなければいけません。リーグ戦の価値が下がるという話が出ちゃうかもしれないので」
中村「うーん、選手やサポーターとしては『そんなことないんだけどなぁ』という思いもあるんですけどね。日本とヨーロッパではまた違いますし」
大東「そこは話を戻すけれども、あまりマイナスなイメージというか、これは伝え方によるんですけど、スポンサーが今そういう状況なのかとなって引かれてしまうと困るんですね。そこはしっかり頑張ってお客さんを増やしていくんですとクラブスポンサー、リーグスポンサーに説明しなければいけないので」
中村「そうですね。それはその通りだと思います。ポストシーズンがあれば露出が増えるし、そこで御社の名前がたくさん出ますよって説明できれば、スポットで入ってくれる企業も出てくるでしょうし。それこそチェアマンのお力というか、言葉が大事なのかなと思います。僕ら選手が何を言ってもしょうがないので。
でも、いろいろな企業があっていろいろな考え方があるので、すべてを納得させるのは簡単じゃないですよね。正直なところ、日本は企業スポーツという色合いが濃いのが現実なので、まだまだクラブの方が立場が弱いと思います。今はスポンサーからぜひやらせてくれと言ってくるんじゃなくて、クラブがお願いしている状態ですよね。かといってどうするんだといっても、こればかりは時間をかけて成熟したリーグにしていくしかないと思いますが。そこでポストシーズン制という話が出て、それがひとつの起爆剤になればいいんですが。
選手としてもJリーグの人気が回復してお客さんが戻ってきてもらいたいんです。選手がいいプレーをする、そしてお客さんがまた試合を観にきてくれるというサイクルが一番健全であって、1ステージ制だ2ステージ制だというのはその次にくることだと思っています。お客さんが増えて、露出も増えて、Jリーグの価値が上がる、それが日本サッカー界の発展につながればいい。だからこそ、みんなで何とかしていきたいという気持ちです」
大東「これはまた話が違うんですが、今の選手は海外志向が強いじゃないですか。今ヨーロッパで25名ぐらいの選手が行ってるのかな。タイのプレミアリーグでも30名以上の日本人選手がいますし、世界各国で見ると100名ぐらいの選手が海外でプレーしています。チームで言うなら3チームぐらいですよね。この傾向はもう止められないですし、そこで日本の選手が成長していくこともひとつの手段です。ですがそれとは別で、日本で新しいヒーローが出てこないと。今、柿谷曜一朗選手がああいう形で日本代表に入って、C大阪は観客数が伸びているんですよね。ですからスターは必要だと思いますね」
中村「Jリーグにもっと日本代表の選手がいるといいんですけどね。それはまた別の話なんですが。最初の頃の日本代表って、みんなJリーグに所属していたじゃないですか。海外に行った人が代表になるのはしょうがないです。だけど、Jリーグから新しい選手たちがどんどん出てきてもいいんじゃないかなって。今のJリーグって上の世代が頑張るリーグみたいになってるじゃないですか。これはチェアマンに言うことじゃないんですが、もっと若手に頑張ってもらいたいという思いもあります。スターを育てることも大事ですが、無理矢理作り上げるものではないですよね。そもそも、そういったスター選手を構築するシステムもないですし」
大東「以前はサテライトリーグをやっていましたが、機能しなくて停止しています。18歳から21歳ぐらいの選手に試合を経験させる場が少ないですし、鍛える場所がないんです。ですから今回選抜チームを作って、J3で真剣勝負をさせると。そういう場所が必要だと思います」
中村「そうですね。今のJリーグは高卒の選手が3年やって試合に出られないと契約を切られる世界で、大卒の選手の方が即戦力で試合に出ています。何が正しいのかはわからないですが、カテゴリーで分けたチームを作ってJ3に参戦させるというのは、ニュースを見ていいアイディアだと思いました。若い選手の実戦感覚というのは、本当に難しいですよね。サテライトリーグをやるにしても試合をやればお金が必要になってきます。けど、そればっかり言ってもしょうがないですし」
大東「アンダーカテゴリーの特別参加枠では、チームに対するロイヤリティが生まれないという意見もありますが、選手会で佐藤寿人選手などに話を聞くと、選手は試合に出たいから頑張る、いいんじゃないかということでした。選抜チームに選ばれることが名誉ですし、これがオリンピックを目指す前提であればなおさらでしょう」
中村「練習試合にしか出られない若手からしたら、選抜チームに呼ばれて活躍したら、ひょっとしたら手倉森さんの目に止まって呼ばれるかもしれないですからね。選手によって感じ方は違うかもしれないですが、モチベーションのひとつにはなると思います。どのチームにも試合に絡めない選手がいるわけで、そういう選手にとってはチャンスの場です。チームに対するロイヤリティとか言われると何とも言えないですが、選手の立場からしたらありじゃないかなって。まずやってみなければ何も始まらないですから」
大東「特別参加枠のチームはホームタウンがないですし、メンバーもころころ変わるかもしれません。木曜、金曜に集まって試合をするというスケジュールですから、チーム愛というのはなかなか生まれないとは思いますが」
中村「むしろそのチームと対戦するJ3のチームは、『あいつらには絶対負けねえ』みたいにモチベーションなるでしょうね。J2に上がりたいチームとは根本的に目的が違いますから。いずれにしても終わったあとの結果がすごく大事だと思います。成功だったのか失敗だったのかは、やる前からいわれてもどうしようもない。環境や金銭的、サポート体制とかで見切り発車だったら厳しいですが、しっかり運営して若い子たちが経験を積んで結果どうなるのかを見るのはいいんじゃないかなと」
大東「それと忘れてはいけないのがACLの資格。これも重要なことです。3.5枠なのか4枠なのか、どういう順番で決めるのかとか。勝てるチームがACLに行くためにはどうすればいいのかというのも考えています」
中村「僕らがACLに行ったとき、Jリーグの方に手厚くサポート体制を敷いていただきました。おかげさまで環境面に関してはストレスなく過ごすことができました。でもその先の日程ですよね。この間の柏レイソルもそうでしたが、韓国のクラブとか勝ち進んでいるチームはリーグ戦を延期したりしています。この破綻したスケジュールでもレイソルは上にベスト4まで行けたわけで、もちろん国内のリーグ戦のチケットを買っていただいてる方がいるのは十分理解していますが、そういう部分でも柔軟にできればいけるんじゃないかなって」
大東「ACLは事前にここまで進んだらこうするっていう日程を組んではいるんですよ」
中村「だけど勝っていった先はどうなるかわからないじゃないですか。行く場所も実際にそうなってみないとわからない。僕も夏場に7連戦とかありましたし、代表でオーストリアに行って、帰国して日本で1試合やって、それからイランに遠征っていうスケジュールもありました。選手としてはやっぱり大変なんですよね」
大東「柏とも次の予備日がどこになるかは、いろいろ話をしながら進めていきました。ただ、ホームにしてもアウェイにしても相手があることじゃないですか。対戦チームのスケジュールがどうなっているのかというのもあります。対戦相手も日程をずらしたりして協力してくれるんですよ。でも日曜日だった試合が平日になってくると、直接収入に影響してきます。では、それはリーグで補填しなければいけないとか、いろいろな話になってくるんですよね」
中村「その瞬間の集客のマイナスよりも、ACLで勝ち上がっていったときのプラスの方が大きいと思うんですよね。そのあたりでもうJリーグ側が、もう少しゆとりを持っておくとか。そういう姿勢を見せるだけでも変わるんじゃないかなと」
大東「日程に関しては1件1件調整しているんですけど、100%満足のいくものはないんです。ただ、本当にACLで勝ちたいんですよねえ。やっぱり日本が勝たないかんのです」
中村「勝ちたいですよ。僕は最近出てないですけど。でも、試合を観ていて、日本のチームが負けるとやっぱり悔しいです。勝ってもらいたいですよ。代表は代表でいいとして、結局Jリーグは大したことないって言われるのがすごく悔しいですから。まぁ中には広州恒大みたいなクラブがあって、あんなに選手を獲ってきて結局お金かよって話になっちゃうんですが」
大東「日本のビッグクラブ論というのはあったんだけどね。どこかのクラブが海外のすごい選手を呼んできてやれば、そのぶんお金取れると思うんですけどねえ」
中村「やっぱりお金ですか。っていう結論になるのが、すごく嫌なんですけど。大人って…、ってなっちゃうじゃないですか」
中村「それと今までのことがすべてひっくり返るかもしれないんですが、チェアマンの話を聞いてひとつ疑問に思ったことがあるんです。どうして40クラブに増やしたんでしょうか? 地域密着でJリーグを広めていくことはすごくいいことですし理解できるんですが、分配金が減るという話になったときに、クラブを増やさなければこういう話にはならなかったと思うんですが」
大東「おっしゃるとおり。Jリーグの収入がもっと増えていけばいいですけど、現状は横ばいの段階です。今まではJ1のチームが稼いでいたんですが、クラブ数が増えて1クラブあたりの金額が薄くなってきました。40クラブというのは将来構想委員会があって、そこでJリーグの理念であったり百年構想を詰めています。そのひとつの目標が40クラブということで、そこまでは到達したと。これはこれでよかったと思います。全国にJリーグの理念を広げていく。そしてサッカーだけじゃなくて、校庭の芝生化といった総合スポーツ型のものを増やしていくという夢を追いながらここまできたのは事実です」
中村「クラブを増やしていく百年構想も理解できます。ただ、収入が減るのにチームが増えたら漠然とどうなるんだろうって。こう相反したものが同時進行しているような気がするんです。J3もスタートしますしね」
大東「J3はJ3で自分たちの財布でやるということで、今あるお金をつぎこむという発想はありません。配分金だけ見るとクラブ数が増えて薄まっているのは事実ですが」
中村「間違えて解釈する人が出てくるかもしれないので、そこをはっきり言わなければいけないと思います」
大東「これは突っ込んだ話なんですが、配分金はスポンサー料や放映権料など大きなものは、J1はいくら、J2はいくらと一律なんですよ。でも、本当にこれでいいのかという話はあるんですよね。例えば今配っている7割はクラブに一律で渡しましょう。そして残り3割は頑張っているところには厚くいきましょうと。その方がクラブとしても頑張りがいがありますから。賞金の話、J2降格の枠をどこまでやるかという話もありますし、いろいろ詰めていかなければならないです」
中村「それは何人ぐらいで決めているんですか?」
大東「それは戦略会議というのがあって、12、13名ぐらいですか。もちろん、そこで決めたものをJリーグ実行委員会、理事会で承認するという、かなりのステップがあります。その中で修正、見直しがあるので、時間のかかる話です」
中村「再来年どうなるかはまだ見えていませんが、わかっているのはお金が入ってくることですよね。中身のやり方は決まってないので、終わった時にどんな数字が出るかだと思います。視聴率もそうだし、入場者数にしてもそう。それを見てからじゃないと判断は難しいです」
大東「そこは我々もしっかり目標を作って、時間を決めてきっちり守っていくということを達成させることが必要です」
中村「もっとみんなでやれればいいなって思います。選手がメディアに出て行くこともそうだし。個人的にはいろんなジャンルにどんどん露出して行くべきだと思います。これは僕がフロンターレにいるからこういう発想になるんですが」
大東「そういう意味では、全クラブとはいいませんが、やはり監督、選手を含めてメディアになかなか出たがらないところもあります」
中村「そうですね。わかります」
大東「要はテレビ側からしたら、出てくれないだろうから言ってもしょうがないみたいな風潮があるんだと思います。今後はもっと前面に出て行っていろいろやっていただけると我々としてもありがたいですし、ライト層も含めてファンの方に理解してもらえるんじゃないかと」
中村「そうですね。僕らはそういうことをやりつつ、お客さんが増えてクラブとして大きくなっていったという過程を体感しているので。Jリーグに関して言えば、サッカー選手がサッカーだけをやればいい時代じゃなくなってきていると僕は思います」
大東「いいこと言うねえ。その通り」
中村「もちろんプロとしてのプライドもあるだろうし、性格的に前に出るのが無理な選手もいると思います。サッカーの質を上げることはもちろんで、それが面白くないと言われれば僕たちが悪いんですけど、それでも観に来てくれている人は確実にいるわけです。じゃあ広げるためにはどうするかっていったら、サッカー以外のところで新しい層を取り込まないといけないと思います。それは前々からお話しされていることだと思うんですが、それこそチェアマンが大号令をかけるぐらいじゃないと、このままフワフワしたままじゃないかなって。J リーグはこう言ってるけど、選手は選手で自分たちはこうだしみたいな感じで、いつまでたっても意識の差が埋まらないと思うんですね。選手はお客さんに試合を観に来てもらいたいはずだし、プロである以上、お金も取らなければいけない。でも、その方法論がわからないところもあると思うんです。だからそういった露出の仕方は、Jリーグ全体を通してやらなければいけないと思います」
大東「確かにJ リーグを含めたサッカー界全体が、一体感を持って外に向かってやらなければいけないね」
中村「サッカー選手って、けっこう出たがりな選手が多いと思います。中には本当に無理だって人もいますけど。チームの垣根を越えて、やりたい人が出て行けばそれが露出につながる。選手が切り売りしてアピールしなきゃいけない時代に入ってきているのかなと感じます」
大東「J リーグが40 クラブあるんですけど、フロンターレの選手、スタッフ、フロントも含めて一体感を持ってよくやっているのは感じています。憲剛が言ってるようにサッカーはもちろん、それ以外のこともいろいろ考えていて感心しているし、感謝もしています」
中村「僕が見えていないだけかもしれないですけど、ここまでやるクラブが増えていけば変われるんじゃないかなって。アウェイに行くとスタジアムにお客さんがいて、しっかり応援してくれる人はいます。でも逆に言えば熱があるのはそこだけになっちゃっているので、すごくもったいないなって感じます」
大東「逆に選手として十何年ピッチに立ってみて、お客さんの反応が変わったとか、そういった変化は感じますか?」
中村「どうですかね。フロンターレに関してはあまり変わらないというか。入場者数が増え続けていって、ある程度のところから多少ダウンしているのはありますが、それでも空席は少ない方だと思います。ですから浦和や鹿島、新潟とか、今までたくさん入っていたスタジアムで空席が目立つと少し寂しい気持ちになるというか。スタジアムに足を運んでくれる人たちの熱は感じているので、その量をどう戻すかだと思います。別に離れていったわけじゃなくて、みんなが歳を重ねていってるのも関係していると思うんですが」
大東「確かに観客の平均年齢も上がって40歳近くになっていますからね」
中村「日本自体が高齢化社会になっているのでしょうがないとは思うんですが、じゃあその層をどう取り込むかと考えたら、もっといろいろアイディアが出るんじゃないかなって。まあ僕がアイディアを出しているわけじゃないんですが」
大東「スタジアムの入場者数に余裕があるクラブは、しっかりやらなければダメなんです。ただ大宮や柏のように限られたところでがんばれと言っても1万3 千、1万5 千人しか入らないわけで。今、等々力が改築工事に入っていますけど、メインスタンドができると3 万人ぐらい収容できるんですか」
中村「そのぐらいになると思います。まぁ、それが満員になるかといったら分からないですけど、少しでも席を埋めるためにサッカー以外のところでもみんなで努力します。面白い試合をする、チームが勝つのはある意味当たり前であって、それは僕らの仕事。そして、それ以外のところもみんなで補足できればなと」
大東「ひとつ観戦環境ということがあると思うんです。豪雪地帯もあれば交通が不便なところもある。そこはしっかりやっていかなければならないと思っています。クラブライセンス制度である程度方向づけはやっていて、例えばスタンドに屋根をつけるとか、トイレひとつにしてもきれいにして数を増やすとか。そのあたりもきめ細かくやらなければいけないということは認識しています。観る側からしたら安全快適なスタジアムが必要だと思いますし。スタジアムのグルメも楽しみのひとつであるので」
中村「極端かもしれませんが、スタジアム環境が充実していて、サッカーの試合がついでぐらいになったら面白いですよね。うちのスタジアムの外でフロンパークっていうスペースがあるんですが、そこは本当にいろいろなイベントをやっていて、自分も行きたいぐらいです。まぁ行けないんですけどね。もちろん他のクラブもやっていることですが、サッカーの試合も楽しめるし、それ以外のエリアでもエンターテインメントがあるみたいな感じ。今はまだサッカーだけが楽しみというスタジアムが少なくないので、そこをどう集客につなげていくのか。これは僕が言ってもしょうがないんですが、今回僕とチェアマンが何をしゃべったんだろうっていうのは、フロンターレのサポーター以外の人や、クラブ関係者も気にかけてくれると思うので」
中村「本当はいろいろな角度からアイディアが出ればいいんですけど、これがなかなか出ないんです。Jリーグがスタートした93年のとき、僕は中学1年生でした。当時のJリーグってキラキラしていて、夢があっていいなと思ったんですよ。それから10年後、僕は大卒でプロに入りました。その間にJリーグも紆余曲折がありましたけど、それは当たり前でいいときも悪いときもある。だけど、つねに自分の国のサッカーが盛り上がってもらいたいという思いがあるんです。ワールドカップで日本代表も結果がついてくるようになりましたけど、今海外に行ってる選手のほとんどがJリーグで育っているわけじゃないですか。海外の記事が大きく載っているのにJリーグを扱っている記事が隅の方にちっちゃく載っているのって、国内の選手としては寂しいものがあります。まぁ、それは自分たちのせいでもあるんですが」
大東「それはJリーグ全体の責任でもあります」
中村「中田英寿さんから始まってようやく海外でプレーする選手が出てきて、それがビッグクラブ絡みだとキャッチーなのでメディアが興味を示すのは仕方のないところではあります。ただ、ここは日本なんだから国のリーグも大事にしてくださいっていうのが本音です。『どういう試合やってるの?』『いい選手いるの?』って、海外のビッグクラブとJリーグを比べられると困ってしまいますが。だったらサッカー以外の面で選手がどんどん出て行くことも必要なんじゃないかなと。槙野(槙野智章)選手とか、サポーターを巻き込んでよくがんばっていると思います。実際にメディアに取り上げられることも多いですし、ああいいう選手がもっと出てくればいいなって。ボールを蹴るのは選手として当たり前であって、サッカー以外の付加価値がないとなかなか注目されない時代に入ってきているんじゃないでしょうか」
大東「日本のサッカーは決してレベルは低くなくて、むしろ上がっていると思います。でもイメージとして、日本に残っている選手はレベルが低いと思われがちなのかもしれません」
中村「普段からJリーグを観ていない人たちはそうかもしれないですよね。でも今この場にサッカーを知らない人が混ざったら、逆にすごく面白いと思います。僕らもびっくりするようなアイディアが出てくるかもしれません。Jリーグの今後のルールとか、一般公募をしたら案外面白いアイデイアが出てくるかもしれないですよ。Jリーグは独断で決めましたってポンとニュースにするよりも、周りを巻き込んでやるよっていう姿勢を打ち出すことも必要だと思います。面白いアイディアがあったらくださいって、大東さんが新聞に出るとか、ホームページに載せるとか。そういうこともやってもらいたいです。僕らのようにサッカーで凝り固まっている頭じゃなくて、柔軟にやることのも大事かなと。対談が決まったとき、それを大東さんに言いたかったんですよね」
大東「確かにそうですね。データを取って調査はしているんですけど、まだアイディアのところまでいってないのが現状です」
中村「こんなことがあるかどうかはわからないですけど、例えば小学生が考えたことがJリーグに採り入れられたら反響は大きいですよ。そういったところでメディアに取り上げてもらっても面白いんじゃないかなあ。まぁ、まとめる方は大変ですけどね。僕は言うだけなんで」
大東「まぁ40クラブもあると大変ですよ。選手会の方にもお話しましたが、リーグ方式については言わなかったのではなくて、まず内部から固めていかなければならない状況で、外側から説明できる段階ではなかったというのはあります」
中村「何が正解だったのかはわからないですし、折り合いをつけなきゃいけないのはわかります。ただ率直に、寂しいなって思いました。僕はばっと言葉で出てきちゃうタイプなので。でも、普段サッカーで記事になることは少ないのに、そういうときだけメディアは大々的に扱うっていう。まぁ、そういう話の方が面白いからなんでしょうね。チェアマンにしても大変な立場ですけど、前に立つ人はもっとみんなを巻き込んじゃえばいいんじゃないですか」
大東「私がいつも言ってるのはロマンとソロバンなんです。やっぱりクラブにロマンがなかったらダメじゃないですか。試合に勝つ、いい選手が来る、若い選手が出てくる。でも一歩先にソロバン、つまり経営の問題ですね。この両輪が回っていかなければならないんです。そこが難しいところですね。ソロバンだけじゃダメだし、ロマンだけでもいけない。金儲けではなくて、投資は必要です。黒字になれば、選手に還元したり育成に回せばいいですし。2ステージ制も金儲けのためだとか書かれましたが将来の投資のお金は、当然必要なのですよ」
中村「でも結果、そう思わざるをえないですよね。みんなしょうがないなって思っています。だけど、その先にどうやって広げていくのかが、Jリーグのやることなんじゃないかなって。一選手の意見ですが」
大東「僕は『これは手段であって、目的ではない』と話しています。目的というのはJ リーグが継続的に発展、成長していくこと。ですから、今回の方式というのは手段のひとつなんです。ここで決めたらそれでいいんでしょではなくて、しっかりとその先を見据えていかなければならない。こうすることで動員が伸びる、収入が上がる、クラブの強化もできるということにならないと」
中村「その結果を見てからですよね。まず2015 年のシーズンが終わったときにどうだったのかって。特に最初の年はみんなが興味を持って注目してくれるので、すごく大事だと思います。そうして年々データを出していくと。その頃になると僕の現役生活が終わっているかもしれないけど」
大東 「いやいや。そう言わないで長くやってよ」
中村「もちろんやるつもりですけど、もっといろんな選手が出てきて、自分の生の意見を外に出したら面白いと思います。選手の立場でしか言えないこともあるでしょうし。今回の件も周りのいろいろ人がいろいろなことを言いますけど、誰も責任は取ってくれないんです。責任があるのは選手、クラブ、J リーグ、チェアマンであって、自分たちでやっていくしかない。だから、こうなったからには成功しなければいけないし、日本のサッカーを盛り上げていくことが一番重要なこと。これは最後に言っておきたいです。まぁ、さんざん生意気なことを言っておいてあれなんですが。もし僕がチェアマンの立場だったら、きっと怒るだろうなって思います。だけど、こういう選手もいるし、他の選手もまた違った意見を持っているんじゃないでしょうか。本当にチェアマンと話せて良かったと思います。大東さんはすごく大変な立場だとは思いますが」
大東「いろんな意見がある中で、素直に思ったことをいっていただけるのはありがたいこと。真摯に受け止めます」
中村「真摯に受け止めるって大変なことですよね。もし自分が同じ立場だったら、もうやってられないよって思います。けど、そんなことは言えないし。実際にこうして話してみると改めて大変だなって思いますし、ここから先はみんなで頑張っていく体制を作れればと思います。Jリーグは敷居が高いとは思わないですけど、もっと気軽に意見を出し合えたらいいなって」
大東「まず、それが大切だね」
中村「J リーグは運営している側であってクラブじゃないから、そんなホイホイ事務局に来られても困るでしょうけど。でも、J リーグがもっと面白いニュースポンポン出していって、それがトップダウンでクラブに下りてくればもっと面白いんじゃないかなって。みんな同じ方向に向いてないとうまくいかないですからね。それはサッカーも同じなんですが。言ってみれば今回の件はそれぞれの見ているところが少し違っていたわけですけど、今回の話を見てくれた人たちが、サポーターの立場からこうしようとか、クラブの人間はこうだとか、もし何かのきっかけになったらうれしいです。今日はサポーターの思いも背負ってきたつもりなので。そもそも、よくこの話を受けてもらえたなと思います」
大東「他に言い忘れたことはないですか?」
中村「今回の機会を逃すともうないかもしれないですからね。J リーグ出入り禁止とか言われかねないので。けど、この対談が実現した時点でJ リーグって変わってきたんだなって思いました。そもそも、こういう発言をする機会なんてないですし、もし何か言いたかったらアポを取って自分で事務局に来なければいけないわけで。今回こういう場を設けてもらって、Jリーグの方式について一選手が言及するなんてあり得ないことですよ」
大東「一選手とは思ってないですよ。みんなそういう気持ちがあって、たまたま憲剛が選手の気持ちを集約してくれたということだと思っているので。やっぱり、みんなでJ リーグを盛り上げたいじゃないですか。いいコンディションで、いいクオリティーの試合をやると。中2日の日程問題にしてもそうですし、未来に対してできることはやりましょう」
中村「これからが正念場ですけど、逆にチャンスじゃないかなと思います。ネガティブなことを言ってもしょうがないので。サッカー好きな人が試合を観に来て、ピッチで選手がプレーをして、クラブがあって、それを束ねる人がいる。簡単なことではないかもしれないけど、みんなが同じ方向を向ければおのずといい結果につながるんじゃないでしょうか。そして2020年は東京オリンピックですからね。日本でやるオリンピックなんてそうそうないわけだし、そこに意義を見出すのも悪いことじゃないと思います。え?その頃、僕は40歳です。オーバーエージでもいらないでしょう。自分が監督だったら絶対取らないです」
2015年より導入が検討されているポストシーズン制について、Jリーグの協力のもと、中村憲剛選手が大東チェアマンに率直な意見をぶつけます。